研究について

研究について

地球の誕生から約11億年を経てヒトが誕生しました。その当時は日の出とともに働き、日の入りとともに休息を取って自然と共に生きるのが常でした。しかし、ヒトは「火」を手に入れ、その「火」はやがて照明となり、文明の発達とともに夜も働くこととなりました。更に、文明の発展に従い昼と夜の区別がなくなり、ヒトは24時間活動し続けることが可能となってきました。それとともに、「男」でなければならない分野の仕事が次第に影を薄め、女性の社会的進出も当然のこととして社会で受け入れられることになってきました。昼と夜の区別も男女の差も無い社会で生活している現代の私達に、問題は無いのでしょうか?

ヒトは24時間の体内リズムにそって各臓器が活動しています。生体内の24時間リズムの存在は労働に影響を及ぼしているのでしょうか?または労働が体内リズムに影響を及ぼすのでしょうか?あるいは、男女の性差と体内リズムとの間に差はあるのでしょうか?これらの体内リズムを中心とした問題を労働と関連付けて解明して行くことが、愛媛労災病院の働く女性メディカルセンターの大きな研究テーマです。

具体的には
(1)夜間労働時のホルモン環境の変化
(2)夜間労働時のホルモン濃度の性差
(3)ストレス度の指標となるホルモンの種類と濃度
などを検討しています。私達の研究結果がより新たな男女共同参画社会の形成にお役に立てればと考えています。