院長の挨拶
2022年4月1日より愛媛労災病院の病院長を拝命致しました。病院長就任にあたり皆様方にご挨拶申し上げます。
私は1985年に山口大学医学部を卒業し整形外科を専門としてきました。1999年に愛媛労災病院に赴任し、22年が経過しました。
その間病院を取り巻く状況は大きく変わりました。当院が位置する新居浜市も人口減少、高齢化が進んでいます。それに伴い取り扱う疾患も変わってきました。私が専門とする整形外科においては若年者の外傷、労災事故による外傷が減少し、高齢者の変形性関節症やいわゆる脆弱性骨折と呼ばれる大腿骨近位部骨折、脊椎圧迫骨折が増加しています。こういった疾患を治療するには、より一層患者さんに寄り添った、1人1人の患者さんの生活状況や求めるものに応じた医療が求められてきます、「地域に寄り添った医療」という言葉は以前から聞かれていますが、まさにそういう医療が求められていると考えます。
そういう医療を提供するためには全職員の協力が欠かせません。私は当院の看護師や医療職の1人1人の知識、技術には自信を持っています。彼ら、彼女らが自分の持っているスキルを十分に発揮できる環境を提供することが重要な任務と考えます。また同じ職種同士の、さらには職種を超えた職員間のコミュニケーションが重要です。相手の立場や思いを理解し、自分の考えも率直に発言できる、意見の違いがあれば十分に議論を行え、いったん方針が決まれば全員で行動を共にする、そういう病院になれればたとえ病院に欠けたところがあっても全員で補っていけるでしょう。
2019年に発生した新型コロナ感染症の終息はいまだ見えず、今後もしばらくはその対応に追われることになると思います。しかし医療を行っていく基本姿勢はどういう状況にあっても変わりはないはずです。今後も全職員が一丸となって患者さんの立場に立った質の高い医療を提供できるよう尽力して参ります。
どうぞ宜しくお願い致します。
2022年4月
愛媛労災病院 院長 木戸健司